JOGMEC:石油・天然ガスレビュー2019年11月号(vol. 53,No. 6)の掲載について
令和元年11月26日付にて、独立行政法人 石油天然ガス・金属鉱物資源機構(JOGMEC) のウェブサイトに、石油・天然ガスレビュー2019年11月号(Vol.53, No.6)が掲載されました。
詳しくは下記を参照のこと。
【 参照元 】JOGMEC | 「石油・天然ガスレビュー」11月号の掲載
令和元年11月26日付にて、独立行政法人 石油天然ガス・金属鉱物資源機構(JOGMEC) のウェブサイトに、石油・天然ガスレビュー2019年11月号(Vol.53, No.6)が掲載されました。
詳しくは下記を参照のこと。
【 参照元 】JOGMEC | 「石油・天然ガスレビュー」11月号の掲載
2019年11月22日付のRTにて、去る11月21日、現在建設中のノルド・ストリーム2(Nord Stream 2)の稼働開始時期が、2020年中盤になる見込みである旨、露・副首相のドミトリー・コザク(Dmitry Kozak)氏の発言とともに報じられた。
ノルド・ストリーム2は、当初、2019年末の稼働開始を予定していたため、事実上の延期となる。本年10月、デンマーク政府により、同国EEZ内へのパイプラインの敷設が承認されたものの、承認の遅れが主たる原因として尾を引いた格好だ。また、承認を追加的に停止されるような措置(環境問題を理由にする等)に対して、作業を慎重に進めざるを得ない点も、稼働開始を先送りにした理由としてあるのではないかと思われる。
詳細は以下を参照のこと。
2019年11月21日付にて、株式会社三井物産戦略研究所のウェブサイトに、『カスピ海横断パイプライン(Trans-Caspian Gas Pipeline)』プロジェクトに対する欧州の関心についてのレポートが掲載された。
詳しくは下記を参照のこと。
【 参照元 】
三井物産戦略研究所 | カスピ海横断パイプライン建設に前向きなEU̶ロシアやトルコとの関係改善が課題̶
Southern Gas Corridor | South Caucasus Pipeline (SCP)
在アゼルバイジャン日本国大使館 | 経済
2019年11月20日付にて、国内初のLNGを燃料とするフェリーが建造されることになった旨、国土交通省のウェブサイトに掲載された。
国土交通省 および 経済産業省では「内航船の運航効率化実証事業(内航船の総合的な運航効率化措置実証事業)」を実施しているが、同実証事業の第2次公募において、株式会社 商船三井 および 株式会社 フェリーさんふらわあの『大阪~別府航路就航フェリーによる省エネ実証事業』を採択したことを本年10月24日に公表している。
同事業は、内航船の大幅な省エネや省CO2を実現するためのものであるが、従来のフェリーと比較して、二酸化炭素の排出量が20%以上低減されると見込まれている本件取り組みについて、商船三井が2隻のLNG燃料フェリーを建造し、フェリーさんふらわあが借り受け、大阪~別府航路において既存船の代替として、2022年末から2023年前半にかけて順次就航させる予定である。
詳しくは下記を参照のこと。
【 参照元 】
国土交通省 | 国内初の「LNG燃料フェリー」が建造されます
国土交通省 | 内航海運の省エネルギー化実証事業を採択しました!
商船三井 | 日本初のLNG燃料フェリー「さんふらわあくれない」「さんふらわあむらさき」2隻の建造を決定
フェリーさんふらわあ | 日本初のLNG燃料フェリー「さんふらわあくれない」「さんふらわあむらさき」2隻の建造を決定
2019年11月19日付にて、独立行政法人 石油天然ガス・金属鉱物資源機構(JOGMEC) のウェブサイトに、同法人モスクワ事務所・黒須 利彦 氏および秋月 悠也 氏による、ロシア情勢に関する報告書(10月分)が掲載されました。
詳しくは下記を参照のこと。
【 参照元 】JOGMEC | ロシア情勢(2019年10月 モスクワ事務所)
2019年11月12日付にて、第10回 総合資源エネルギー調査会 電力・ガス事業分科会 電力・ガス基本政策小委員会 ガス事業制度検討ワーキンググループが開催された旨、経済産業省のウェブサイトに掲載された。
今WGでは、説明・自由討議として以下が議題となった。
(1)二重導管規制に係る変更・中止命令の判断基準に関する検討
(2)熱量バンド制に関する検討
二重導管規制の緩和と熱量バンド制への移行は密接な関係にある。現状は熱量が調整された都市ガスのみが消費サイドに届けられているが、仮に熱量バンド制に移行すれば、消費サイドが、自身の住環境・商工業環境等に合わせて調整/未調整の都市ガスのいずれかをより手軽に選択し、利用することができるようになる。
以下、筆者の個人的見解ではあるが、
仮に熱量バンド制に移行していった場合、都市ガスの小売事業者は、カロリー数の高い天然ガスを取り扱っていれば、基本的にはガスの熱量を調整する必要がなくなる。(このため、都市ガスの製造コストが微量ながら下がり、その恩恵が消費者にもあるものと考えられる。ガス機器メーカーをはじめ、素材加工等に天然ガスを利用する事業者等も、熱量未調整ガスを意識した商品開発を進めていくことになる)
では、その先には一体何があるのだろうか。
熱量未調整の都市ガスを使うことが当たり前の時代になると、それに比例して熱量調整した都市ガスの需要が減っていくことになる。そして、いずれかの時点で、そもそも熱量を調整したガスをこのまま使い続ける必要があるのかとの議論になり、現状の熱量調整した都市ガスは、徐々に、熱量未調整(もしくは混合)の都市ガスにとって替わられるようになるかもしれない。そうして需要構造が変わることで、「二重導管」のもう一対には、都市ガスではなく、再生可能エネルギー社会の進展とともに、余剰電力によって生産された水素が流されるようになる。水素の効率的な輸送には、パイプラインが有効だ。
熱量調整/未調整のいずれか、もしくは両方の導管により、都市ガスと混ぜ込む形で水素が輸送されるような時代はすぐそこに見えている。既存の導管の耐用年数に合わせて、「二重導管」後の導管の一対は、水素輸送専用に加工された導管に置き換わっていく、そういったシーンも想像される。
WGの検討内容については下記を参照のこと。
【 参照元 】経済産業省 | 第10回 総合資源エネルギー調査会 電力・ガス事業分科会 電力・ガス基本政策小委員会 ガス事業制度検討ワーキンググループ
2019年11月12日付のBloombergにて、オーストリアのエネルギー大手・OMV AGが参加するチュニジアのガス田開発についての記事が掲載された。
チュニジアのタタウイヌ州(Tataouine province)の南部にあるナワラ・ガス田(the Nawara gas field)は、同国でも最大級のガス田である。2008年、チュニジア公営のETAP(Entreprise Tunisienne D’Activites Petrolieres)、墺・OMV、伊・Eni、米・Pioneerの4社によりNawara Development Projectが始動したが、2011年にPioneerが、2012年にEniが同プロジェクトから離脱し、現在はETAPとOMVが50%ずつの権益を保有する。2016年にはプロジェクトを始動する予定であったが、チュニジア国内の社会状況や技術的な問題もあって延期されていた。今回の報道は、同プロジェクトが2019年末にも稼働を開始する予定との内容である。
詳細は以下を参照のこと。
2019年11月5日付のNHK NEWS WEB上にて、ヘリウムの安定供給を求めて、関係する学会が緊急声明を発表した旨、掲載された。
ヘリウム(He)は、水素に次いで軽く、他の原子とほとんど反応しない(不活性、燃えない)性質を持ち、且つ、沸点が最も低い(約-269℃で液化)という特徴をもっている。半導体の製造やMRIなどの医療機器でも使用される重要な物質であるが、日本はその100%を海外からの輸入に頼っている。大気中には0.0005%しか存在せず、天然ガスとともに、ごく微量が産出されている希少な物質である。
2012年末、世界のヘリウムの需給がひっ迫したことで、日本国内からヘリウムの在庫が消える「ヘリウム・ショック」が起こった。2014年には均衡を取り戻したものの、2015年時点で、「2013年以降年率平均2.6%で需要が増加し、2016年以降には再び需給がひっ迫する可能性がある」との見込みもあった。世界的に使用量が増加傾向にあるなか、例えば、日本国内においては、東京大学の物性研究所等が、気化したヘリウムを回収して再液化する事業を始めるなど、ヘリウムの使用量を抑える、もしくは、代替の素材・方法を見つけるなどの研究が進められている。
一方で、ヘリウムの生産サイドにも動きがある。露・ガスプロム(Gazprom)は、『シベリアの力(Power of Siberia)』ガスパイプラインの中継拠点として、アムール・ガス加工プラント(Amur Gas Processing Plant)を設置しているが、年420億立方メートルの天然ガスを加工する同プラント内において、天然ガスからヘリウムやエタンなどの副産物を分離、ヘリウム等の生産量を増やすことで世界的な需要の増加に対応する。現在、Gazpromのヘリウムの生産能力は年500万立方メートルであるが、アムール・ガス加工プラントの稼働により、2026年までに、同生産能力を6000万立方メートルへと増加させる方針。同プラントで生産したヘリウムは、主には日本や中国などのアジア地域に輸出する計画を立てている。
その他、詳細は以下を参照のこと。
【 参照元 】
NHK NEWS WEB | ヘリウムの安定供給求め 関係学会が緊急声明発表へ
ニュースイッチ | ヘリウムが入手できない!JAXAなど研究機関が“悲鳴”
日本経済新聞 | ヘリウム危機 超えゆく技術
Gazprom | Amur Gas Processing Plant
Gazprom Export | Oil and oil-products: CURRENT ACTIVITY: Helium
東京大学 物性研究所 | ヘリウムガスの再液化事業開始のお知らせ
Monoist | 国内産業に迫るヘリウム危機の打破へ、東大物性研が産学連携視野にリサイクル目指す
Wired | Huge underground helium reserve discovered in Tanzania
経済産業省 | 平成26年度製造基盤技術実態調査 ヘリウムの世界需給に関する調査(2015年、PDF)
2019年11月8日付にて、東邦ガス 株式会社 及び 株式会社 商船三井は、LNG燃料の供給拠点の整備および天然ガスの利用促進を目的に、名古屋港で初となるLNGバンカリングを実施した旨、両社のウェブサイトに掲載した。
詳しくは下記を参照のこと。
【 参照元 】
東邦ガス | 名古屋港初のLNGバンカリングを実施
商船三井 | 名古屋港初のLNGバンカリングを実施
2019年10月30日、本会の10月31日付の新着情報でも紹介したとおり、デンマーク政府エネルギー庁(DEA:Danish Energy Agency)は、約147kmに及ぶノルド・ストリーム2(Nord Stream 2)のデンマークEEZ内への敷設を許可する旨、発表した。このデンマーク政府による海底パイプラインの敷設作業承認により、今週にも、同国EEZ内での海底パイプラインの敷設作業が開始される見通しだ。これまでの敷設作業の実績から、1日あたり約3~最大5km程度の敷設が可能であるため、フル稼働すれば、本年12月中旬にも敷設作業を完了させられると見られる。こうした状況について、いわゆる西側メディアは、本件が欧州のエネルギー安全保障に大きく影響するであろうことを報道し、米国やウクライナ等の「懸念」を伝えている。
表面上、日本にとっては対岸のことのように見えるが、他方で、筆者が実現を期待している日ロ間のパイプライン敷設計画に関連づけると、日ロ間のパイプライン計画の実現に一つの可能性を示したと見ることもできる。とはいえ、我が国のような島国が、他国と物理的につながることに、同じように安全保障上の懸念を覚えるとした意見が聞かれることも事実だ。
今回のコラムでは、「他国と物理的につながる」という点に焦点をあててみたい。
前提として
事例としてのノルド・ストリーム2を見る上で、ロシア・ウクライナ間の問題は避けて通れない事柄である。元 独立行政法人 石油天然ガス・金属鉱物資源機構(JOGMEC) 調査部 主席研究員の本村 真澄 氏 が、いわゆるウクライナ問題について解説されているので、両国の天然ガスをめぐるやり取りについては以下を参照されたい。
※ 以下、いずれも外部リンク
我が国の立場は、クリミア自治共和国及びセヴァストーポリ特別市のロシア連邦への編入を認めておらず、このことに関連し、欧米と協調して対ロ経済制裁を今現在も実行中である。とはいえ、とかく政治は経済を使い、経済もまた政治を使うものである。個人・集団の思惑がプロパガンダを生み、「親◯◯/ 反◯◯」といったレッテルを軽々しくはるような柔らかいプロパガンダ~より強固なプロパガンダが日々飛び交うことで、虚と実が様々な形で混ざり合う。ノルド・ストリーム2を取り巻く状況は、歴史的な背景まで含めると実に複雑であるため、ロシア側の問題点にばかり目をむけるのではなく、ウクライナ国内における、ステパン・バンデラ(Степан Андрійович Бандера)を信奉する民族主義的な動き(バンデラ主義)や、それを利用して東方拡大を進めようとする欧米の動きの外、工業都市が集まっているウクライナ東部~南東部において、工業生産のために安定的かつ廉価なエネルギーを必要とする現実的な状況がある点なども併せて見ておく必要があるだろう。
また、パイプラインで直接つながる当のドイツはどうか。
2011年11月に稼働を開始した『ノルド・ストリーム』に次いで、新たに『ノルド・ストリーム2』を建設し、2019年中に2つ目のパイプラインプロジェクトをもって、再度、ドイツ・ロシア間を物理的につなごうとしている。原子力発電から離れる決断をしたドイツは、再生可能エネルギーの導入を進めたが、2018年、再生可能エネルギーでは、全電力需要の35%しか賄うことができなかった。再生可能エネルギーはまだ発展途上のものである。将来的には全電力の100%を賄う時代も来るのだろうが、ゼロ・エミッションを掲げながらこれまでどおり産業を動かし続ける中においては、天然ガスのような比較的環境に負担の少ない化石燃料に頼らざるを得ない状況が暫く続く。こうしたことから、ドイツの電力や天然ガスの輸入は避けられない。追い打ちをかけているのは、例えばオランダの石炭焚き火力発電所の閉鎖や、2022年に前倒しされたフローニンゲンの天然ガス田の利用停止(天然ガスの採掘により、人工的な地震が頻発し、地域住民の不安材料となっていた)など、ドイツの鉱工業生産にとってマイナス要素となる事柄が起こっている点があげられる。つまり、ドイツには安定的かつ廉価な天然ガスを必要とする明確な理由があるのだ。
ウクライナが反対する理由
ウクライナがノルド・ストリーム2に反対する理由は、ざっくり分けると、経済と政治の2つに分けられるが、ここでは経済面の理由のみの考察としたい。
経済:ガスの通過料収入の喪失
実にわかりやすい理由であるが、ロシアからウクライナを経由して欧州へと天然ガスが運ばれる際、ガスがウクライナを通れば、ウクライナはガスの通過量に応じた通過料収入を得ることができる。その額は約30億US$/年、同国GDPの2%に相当する金額と見られている。
ドイツ・ロシア間にパイプラインを通す新規投資の計画が現実に実行されることで、これまで政治的・経済的な取引に使えていた「支払いができないから、天然ガスも通せない(だからなんとかしてほしい)」という後ろ向きな交渉材料を失いつつあった。それどころか、当てにしている通過料収入が、どの程度かは不明瞭ながら失われる可能性すらでてきた。これが、ウクライナがノルド・ストリーム2の建設に強硬に反対してきた最大の理由と考えられる。
本年、ウクライナは、露・ガスプロム(Gazprom)との間で、天然ガスが同国を通る旨の契約を更新しなければならないが、2014年~現在に至るまで、ことさら険悪になっている両国関係から、同契約を更新できないままでいる。ロシアサイドからの投げかけは暗喩的なものも含め幾度となくあるが、アメリカやカナダ等がバックにいることもあってか、形上、ウクライナは「折れる選択」すらできない状況なのかもしれない。
結果、ウクライナは通過料収入の多くを失ってしまうかもしれない。2019年末には、ノルド・ストリーム2に加え、トルコ・ロシア間をむすぶトルコ・ストリームも稼働する予定であり、欧州とのガス取引にウクライナを通さなくても良い環境が粛々と整いつつある。ウクライナがどのように上げ続けている拳を下ろすのかが注目される。
日ロ間のパイプライン
翻って、日ロ間のパイプラインの話である。(日ロ間のパイプライン計画自体については、別のページにまとめてあるのでそちらを参照していただきたい)
>>> 日ロ間のパイプラインプロジェクトを考える
日本は周囲を海で囲まれた島国である。そのためか、他国と物理的につながることに不安を感じる人もいるようである。中には、インターネットで見られる話だが、「天然ガスのパイプラインをつなぐと、ロシアから毒ガスが送られてくる」といった極端なものまである。
この「毒ガス」について言えば、「何かあれば、ロシアはガスの元栓を閉めるぞ」の話の逆で、仮にそうしたことが起これば、日本側のガスパイプラインの栓を閉めれば簡単に解決することであって、それほど難しい話ではない。また、補完的な話だが、墺・OMVを例にとると、過去50年の取引の中で毒ガスに類されるものが流れた実績はない。本来であれば、そうした好ましくないことが起こらないように外交(や公安・防諜)が存在するのであって、国民の意識としては、そうした外交が行われている中で、偏りのある情報に流されないよう意識することのほうが重要である。
しかしながら、パイプラインではないが、我が国はすでに他国と物理的につながっており、しかもその歴史は150年近くのものである点を再確認されたい。1871年、日本で最初の他国との物理的接続は、デンマークの大北電信会社により、長崎・上海間と長崎・ウラジオストク間に海底ケーブルを敷設されることで実現した。江戸時代が終わって間もなく、明治初期の話である。
つまり、日本はすでにロシアと物理的につながった実績があるということである。
今現在はどうか。NTT・KDDIともに、ロシアにそれぞれパートナーを持って海底光ケーブルを敷設し、現に運用中である。安全保障の面でいえば、インターネットを介してもたらされる物事のほうが、パイプラインを通じてもたらされるものよりもはるかに大きな影響があることは疑いの余地もなかろうし、ロシアのみではなく、アメリカや中国、遠く欧州ともケーブルでつながる現状を鑑みれば、天然ガスパイプラインの接続それ自体は、我が国の安全保障にとって良い点は数あれど、インターネット以上には、悪材料とはなりえないと考えられる。
まとめ
A地点からB地点を結ぶパイプラインの性質上、その間に複数国がまたがるのであれば、ウクライナの事例でも見られる通り、例えばガスプロム(Gazprom)が抱える他国の顧客を巻き込むことになるため、経済的にも政治的にも何らかの交渉材料にはなり得るのかもしれない。しかしながら、結果的に負ったウクライナの喪失が示すとおり、パイプラインを政治的に利用し、且つ、失敗した事例を検証すると、改めてパイプラインが政治利用に向かないインフラであることが理解できる。特に、日露天然ガスパイプラインプロジェクトの、両国間に他国をはさんでガス輸送が行われるわけではないという要素や、すでにLNGのインフラが整備され、世界中からLNGを購入する日本の状況を考えれば、パイプラインの閉栓やロシア単独でのガス価格の釣り上げ等が我が国との政治的な交渉材料になりづらいことは明らかである。こうしたことから、日ロ間に天然ガスパイプラインを敷設し、両国を物理的につなぐとした日露天然ガスパイプラインプロジェクトは、安全保障の面において心配が少ない案件であると言えるだろう。
日本での実現が待たれる。
【 引用・参照元 】
Danish Energy Agency | Permit for the Nord Stream 2 project is granted by the Danish Energy Agency
Nord Stream 2 AG | Nord Stream 2 Granted a Construction Permit by Denmark
Kyiv POST| Denmark approves route of Nord Stream 2 gas pipeline
Forbes| Renewables Threaten German Economy & Energy Supply, McKinsey Warns In New Report
Bloomberg| Dutch Closing Europe’s Biggest Gas Field Raises Concerns for Hub
衆議院 | 第186回国会 内閣委員会 第6号(平成26年3月19日(水曜日))
経済産業省 | 対クリミア等制裁関連
ロシア・ビヨンド | バンデラ主義者とは?
Ukrainian Orthodox Church (CCU:ウクライナ正教会) | Пишаємося, коли нас називають бандерівцями, – Митрополит
NTT WE MARINE | 海底通信ケーブルの誕生
NTTコミュニケーションズ | 日本-ロシア間光海底ケーブルを利用した新ルートの運用開始について
KDDI | 日本~ロシア間光海底ケーブルネットワークの運用開始について