2019年10月16日付にて、カーボンリサイクル技術の一つであるメタネーション技術の確立を目指し、二酸化炭素を有効利用するメタン合成試験設備を完成させた旨、国立研究開発法人 新エネルギー・産業技術総合開発機構(以下、NEDO)のウェブサイトに掲載された。

火力発電などで排出される二酸化炭素を削減することで温暖化対策とすること、また、二酸化炭素を資源として捉え、これを回収して有効利用する「カーボンリサイクル技術」を開発・発展させ、より効率的な温室効果ガス削減策を確立することが、今日、我が国含め求められているのは周知のとおりである。

天然ガスの主成分でもあるメタン(CH4)は、温室効果が二酸化炭素の約25倍と数値上は非常に高い温暖化要因を抱えている。しかしながら、その可能性については冷静に判断されるべきものである。第一に、熱量調整すれば既存のインフラを使って都市ガスとして利用可能であり、また、圧縮することで簡単にパイプライン未敷設地へと運ぶことができるため、プロパンガスと同じような使い方ができる。第二に、再生可能エネルギーとの親和性が高いという点にも着目すべきであろう。太陽光発電や風力発電などにより、需要以上に生み出される過剰な電力は、水を電気分解することで、水素の形をとってエネルギーを保管する時代が訪れるとの想定がある。水素そのものを直接的に利用することもあるだろうが、我々が日常的に排出する二酸化炭素と水素を結びつけて、再びメタンにして再利用するような、輪換的に資源を使う試みがなされている。

本件はそうした輪換的取り組みの一つであり、NEDOが国際石油開発帝石 株式会社および日立造船 株式会社と共に実施するものである。詳しくは下記を参照のこと。

【 参照元 】NEDO | CO2を有効利用するメタン合成試験設備を完成、本格稼働に向けて試運転開始