2019年5月22日付にて、アメリカの物流大手・UPSが、2026年まで、温室効果ガスの削減を目的に、米カリフォルニア州ニューポートビーチに本拠を置く天然ガス取扱事業者・Clean Energy Fuels社より、再生可能天然ガス(RNG:Renewable Natural Gas)を年2250万~2500万ガロン購入することで合意した旨、UPS及びClean Energy Fuels社のウェブサイトに掲載された。

天然ガスを中心とする、ガソリンやディーゼルの代替燃料の利用とその拡大は、UPSのCSR実現に重要と判断されている。同社が運用する全陸送車両に占める代替燃料車両の割合(2017年時点で20.8%)を2025年までに40%にまで拡大させ、同社の温室効果ガスの排出量を12%削減する戦略目標を掲げている。その目標達成のため、同社では2008年から10億米ドルを超える資金を関連項目に投資してきており、2019年時点で設置している天然ガスステーション(アメリカ国内)は51拠点、6100台以上の天然ガス車(車両サイズ・配送域により、燃料となるCNG / LNGを使い分け)を運用している。また、2017年は新車購入の12%(1190台以上)を代替燃料車両にしており、全車両の22%が、従来型のガソリン/ ディーゼル車両と置き換わっている。

RNG(再生可能天然ガス)とは、いわゆるバイオメタンを指す。埋立地、廃棄食品、農場(家畜のし尿)などから回収されたもので、精製してメタンの純度を高めることで、天然ガスに混ぜる等して、代替燃料車両の燃料として使用できる。アメリカでは、再生可能エネルギーの一つとして利用が拡大している。

UPSでは、2014年にRNGを燃料として導入し、累計で約2800万ガロンのRNGを利用してきた。今回の発表では、RNGの年間使用量を4倍以上に増やすことで、温室効果ガス削減に対する姿勢を内外により強く示したことになる。ディーゼル燃料をRNGに替えることで、100万メートルトンの温室効果ガスを削減できる。これは、1700万本の木を植えることや、道路を走る22万4千台分の車両、もしくは、37万4千トンの埋め立地に送られる廃棄物を削減することに等しいとしている。

詳細は下記を参照のこと。

【 参照元 】
UPS | Seven-Year 170 Million Gallon Equivalents Purchase from Clean Energy Fuels Corp. Will Reduce GHG Emissions by More than 1 Million Metric Tons
UPS | UPS 2017 Corporate Sustainability Progress Report
Clean Energy Fuels | UPS’s Big Brown Fleet Wins Customer Praise as One of Today’s Greenest Fleets