2019年4月2日付にて、米・Fortistarがペンシルバニア州のRNG施設を取得した旨、プレスリリースがあった。

Fortistarが取得したのは、EDF Renewables North Americaが所有していた Greentree Landfill Gas 及び Imperial Landfill Gas の2つのRNG施設である。この2つのRNG施設はペンシルバニア州西部にある。両施設合わせて年150万Dekatherms(デカサーム:1Dekatherm≒1MMBtu)のRNGを生産でき、これにより、年107,485トン相当のCO2排出削減効果を期待できる。270万本の木を植えるのに等しい量である。(Landfillの場所は、下記のペンシルバニア州環境保護部のウェブサイトを参照のこと)

RNG(Renewable Natural Gas:再生可能天然ガス)は埋め立て地、農場、下水道などから出るし尿や食料廃棄物等を発生源とするバイオガス(バイオメタン)である。精製により、メタンの比率を90%以上にできるため、天然ガス車の燃料として、一般的な化石燃料の天然ガスを補完させることができる。パイプラインに流し込んで、PNGとして輸送することも可能だ。

インターネットでの検索結果の少なさから、日本において、RNGはあまりなじみのない用語と思われる。海外のウェブサイトではSNG(Sustainable Natural Gas:持続可能性質天然ガス)とされることもある。Synthetic Natural Gas(SNG:合成天然ガス)やSubstitute Natural Gas(代替天然ガス)に含まれるが、混乱を避けるため、ここではRNGに統一する。

日本では、バイオガス生産施設から出たメタンガスを発電用燃料としてそのまま使うことが多いが、アメリカにおいては、天然ガスの補完燃料として単体で販売されるケースが見られる。環境性に優れ、残渣物も高栄養価なバイオ肥料になる。バイオメタンからの水素生産や、バイオガス中の二酸化炭素を効率的にメタン化させる技術等の研究も進んでいることから、その可能性のさらなる広がりに期待がもたれている。

Fortistarは、ニューヨーク州ホワイト・プレインズに本拠を置く民間企業である。アメリカとカナダにおいて、低炭素エネルギー生産企業として事業活動を展開している。

【 参照元 】
Fortistar | Fortistar Website
Business Wire | Fortistar Acquires Two Renewable Natural Gas (RNG) Facilities in Pennsylvania
Pennsylvania Gov. | Pennsylvania Landfill Methane Projects