TASS+Bloomberg+The Moscow Times等:Nord Stream 2の敷設、2021年1月15日より作業再開
2021年1月14日~15日付のTASS、Bloomberg、The Moscow Time等各紙にて、ドイツとロシアをつなぐ海底パイプライン「Nord Stream 2」の建設が再開される旨、報道された。
『Nord Stream 2/ ノルド・ストリーム 2』は、バルト海経由でロシア-ドイツ間をつなぐ2本一組の天然ガスパイプライン。年550億立米の天然ガスを欧州に運ぶ計画。建設費用は約110億ユーロ。2017年、ガスプロムが100%出資するNord Stream 2 AGをはじめ、OMV、Shell、Uniper、Wintershall dea、Engieが、同プロジェクトの資本協定にサインしている。
2019年12月、Nord Stream 2/ ノルドストリーム2の海底敷設を請け負っていたスイス・Allseas社が米国の制裁を理由に建設作業を中止して以降、今日までパイプラインの建設作業が滞っていた。建設作業は、全行程の94%を完了していた。他方、ドイツ含む欧州側の、安定的かつ廉価な天然ガスを求める姿勢もあって、Nord Stream 2 AGを所有するロシアのエネルギー大手・Gazprom社は、自力での建設完了を目指すべく、極東に停泊させていた自社所有の海底パイプライン敷設船「Fortuna」と「Akademik Cherskiy」の2隻をバルト海に移送した。
2021年1月15日、ドイツ連邦海上水路庁(BSH:Federal Maritime and Hydrographic Agency)は、ドイツEEZ内におけるパイプラインの建設作業を本年5月末までとの期限付きで許可した。これを受け、残り30kmほどとなっている同国EEZ内での建設作業が再開される。ただ、ワルシャワに本拠を置くエネルギーコンサルタント会社のシニアアナリスト・Mateusz Kubiak氏によると、パイプライン敷設船「Akademik Cherskiy」は現状展開が遅れているため、当分は「Fortuna」一隻により、先ずは一本目を完成させることに集中するのではないかとの見立てがあるようだ。
詳細は以下を参照のこと。
【 参照元 】
TASS | Germany grants permit for Nord Stream 2 constriction in its waters in January-May
TASS | Nord Stream 2 construction in Danish waters to restart on January 15
Bloomberg | Nord Stream 2 Set to Finish Bulk of Work on One Line in June
The Moscow Times | Gazprom Restarts Construction on Controversial Nord Stream 2 Pipeline