2019年5月31日付のBloombergにて、発電用燃料(石炭・天然ガス)の価格比較に関する記事が掲載された。また、同年6月2日にはForbesが、同3日にはIERが、それぞれ関連した内容(発電用燃料の需給状況、経済性など)の記事を掲載している。

Bloombergの記事によると、例えばドイツの発電所においては、石炭よりも天然ガス焚きの方が利益をより生み出している状況であり、石炭の大きな優位性でもあった価格面においても競合できなくなりつつあるとの指摘がなされている。こうした状況を、欧州の石炭離れの象徴的な出来事と捉える向きもあるようだ。

実際、陸上型の太陽光発電や風力発電の発電コストも廉価化しつつある。現実的な経済上の電力需要と環境性を考えれば、天然ガス+再生可能エネルギーをミックスして使う動きが顕著になるのも、ごく自然な流れと言える。

アメリカではガス価格の廉価化を契機に、発電用燃料としての天然ガスの利用が一層拡大している。今夏は、米国内の発電の40%程度が天然ガスによるものになるとの観測だ。燃料ごとのコストについては、IERがわかりやすくグラフにまとめている。金額だけを見れば、原子力のUS$33/MWhに次いで、ガス焚きコージェネの価格(US$36/MWh)が目立つ。風力発電と比べても、その4割ほどのコストで済んでいる。アメリカの企業にとっては、国際競争力の面でも、大きな後押しとなっているのは言うまでもない。

詳細は以下を参照のこと。

【 参照元 】
Bloomberg | Energy Prices Crash in Europe as Old, New Fuels Vie for Share
Forbes | Nonstop Records For U.S. Natural-Gas-Based Electricity
IER | Study Finds Wind and Solar 2 to 3 Times More Expensive Than Existing Generation Resources